すでに複数の支援会社やツールを利用しているものの、施策ごとに窓口や報告資料が分かれ、全体を整理できていない企業も少なくありません。新しいABM(アカウントベースドマーケティング)支援会社を追加しても、役割分担が曖昧なままでは調整業務がさらに増える可能性があります。
本記事では、ABM支援会社の3タイプ、既存の会社とツールを整理する方法、会社選びの5つの軸、主な支援会社を解説します。自社が相談すべき会社のタイプと、問い合わせ前に準備することが明確になるので、ぜひ最後までお読みください。
この記事のポイント
・ABMは、受注確度や売上貢献度の高い企業を選定し、マーケティングと営業が連携して攻略する手法
・ABM支援会社は、戦略・伴走型、データ基盤・ツール活用型、実行支援型の3タイプに分けられる
・支援会社を選ぶ際は、自社の課題と依頼範囲を整理し、実績・支援体制・営業連携・費用を比較する
・成果はリード数だけでなく、ターゲット企業との接点、商談化率、受注率、売上への貢献で評価する
シャコウではBtoBマーケティングに関する情報をYouTubeで発信しています。初心者の方でもBtoBマーケティングを網羅的に理解できる内容になっていますので、ぜひ参考にご視聴ください。

ABMとは?リード獲得型マーケティングやMAとの違いも解説
ABMについて理解するには、一般的なリード獲得型マーケティングや、MA・デマンドジェネレーションとの違いを押さえる必要があります。これらは対立するものではありません。対象とする顧客や施策の起点、ツールと戦略という役割が異なります。

ABMとは
ABM(Account Based Marketing/アカウントベースドマーケティング)とは、自社にとって重要な企業を選定し、その企業に合わせてマーケティング部門と営業部門が一体で働きかける手法です。
一般的なマーケティングでは、幅広く見込み顧客を集め、その中から商談や受注につながりそうな顧客を絞り込みます。一方、ABMでは、売上への貢献が期待できる企業を先に選び、その企業の業界、課題、組織、意思決定者などを踏まえて施策を設計します。
具体的には、対象企業に合わせたコンテンツや広告、メール、手紙、ウェビナー、営業アプローチなどを組み合わせます。企業単位で施策への反応や商談状況を確認し、次の働きかけを決めていくことも特徴です。
ABMで重視するのは、獲得したリードの総数ではありません。狙った企業と接点を持ち、商談や受注につなげられたかを評価します。そのため、マーケティング部門だけで完結させず、ターゲット企業の選定や成果確認に営業部門も参加する必要があります。

ABMと一般的なリード獲得型マーケティングの違い
ABMと一般的なリード獲得型マーケティングでは、施策を始める地点が異なります。
| 項目 | ABM | 一般的なリード獲得型マーケティング |
|---|---|---|
| 起点 | 狙う企業を先に選ぶ | 幅広く見込み顧客を集める |
| 主な対象 | 選定した企業・部門・担当者 | 市場にいる幅広い見込み顧客 |
| 施策の設計 | 企業ごとに内容や方法を調整する | 共通する課題や関心をもとに設計する |
| 営業との連携 | ターゲット企業の選定時から連携する | リード獲得後に連携する場合が多い |
| 主な指標 | 接点企業数、商談数、受注数・金額 | CV数、リード数、MQL数など |
リード獲得型マーケティングは、認知を広げ、新しい見込み顧客と接点をつくる場合に適しています。まだターゲット企業を限定できない場合や、幅広い業界・企業を顧客とする商材でも活用しやすい手法です。
ABMは、狙う企業がある程度明確で、1社あたりの取引額が大きい商材や、商談から受注までに複数の担当者が関わる商材に向いています。
どちらか一方を選ぶ必要はなく、幅広いリード獲得を続けながら、特に重要な企業に対してABMを実施するなど、両方を組み合わせることもできます。
MA・デマンドジェネレーションとの関係性
デマンドジェネレーションは、見込み顧客を獲得・育成し、商談機会を生み出す一連のマーケティング活動です。Webサイト、広告、展示会、コンテンツ、メールなどを通じて需要をつくり、営業へ引き渡します。
一方、ABMは企業を起点に対象を絞り、その企業との商談・受注を目指す考え方です。デマンドジェネレーションが幅広い見込み顧客を対象とするのに対し、ABMはあらかじめ選定した企業へ重点的に働きかけます。
MA(マーケティングオートメーション)は、メール配信、顧客行動の記録、スコアリングなどを効率化するツールです。ABMやデマンドジェネレーションを実行する際に利用できます。
| 項目 | ABM | デマンドジェネレーション | MA |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | マーケティング・営業の戦略 | 商談機会をつくる一連の活動 | 活動を効率化するツール |
| 起点 | 選定した企業 | 市場や見込み顧客 | 保有する顧客データ |
| 主な目的 | 重要企業との商談・受注 | 見込み顧客の獲得・育成 | 配信・管理・分析の効率化 |
| 主な指標 | 接点企業数、商談数、受注数 | リード数、MQL数、商談数 | 配信結果、行動、スコアなど |
MAを導入しただけでは、ABMを実施できるわけではありません。狙う企業の選定基準、企業ごとの施策、営業部門との役割分担、成果指標を別途設計する必要があります。

ABMが向いている企業・向いていない企業
ABMは、すべての企業や商材に適した手法ではありません。対象企業ごとに戦略や施策を設計するため、取引額やターゲットの明確さ、社内体制によって費用対効果が変わります。自社がABMに適しているか、導入前に確認しましょう。

ABMが向いている企業
ABMは、次のような企業に向いています。
- 1社あたりの取引額や顧客生涯価値が大きい
- 狙いたい業界や企業をある程度限定できる
- 大手企業や重要顧客との取引を増やしたい
- 購入の意思決定に複数の部門や担当者が関わる
- 商談から受注までの期間が比較的長い
- 既存顧客へのアップセルや別部門への展開を強化したい
ABMでは、受注した場合の売上貢献が大きい企業を選び、企業ごとに有効なコンテンツや営業アプローチを設計します。そのため、限られた重要企業へマーケティングと営業のリソースを集中させたい場合に効果的です。
新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の別部門へ取引を広げる場合や、複数の商品・サービスを提案する場合にも活用できます。
ABMが向いていない企業
一方、次のような企業は、ABMよりも一般的なリード獲得型マーケティングのほうが適している可能性があります。
- 1社あたりの取引額や顧客生涯価値が小さい
- 顧客数が多く、対象企業を絞りにくい
- 幅広い顧客へ同じ商品やサービスを販売している
- ターゲット企業を選定するための顧客データが不足している
- 営業とマーケティングの連携体制が整っていない
- 個社別の施策に割ける人員や予算が少ない
ABMは、対象企業の情報収集や個別施策の設計に一定の工数がかかります。取引額が小さい商材や、不特定多数の顧客へ効率よく販売したい商材では、対象を限定せずにリードを獲得する手法のほうが費用対効果に合う場合があります。
ただし、現時点で条件を満たしていなくても、ABMを導入できないとは限りません。顧客データの整備や営業との連携を進めたうえで、受注確度の高い企業や既存の重要顧客に対象を絞り、小規模に始める方法もあります。

ABM支援会社の基本と依頼できる業務
ABMでは、ターゲット企業の選定、データ整備、施策実行、営業との連携など、複数の領域を横断して進める必要があります。
自社だけで対応することが難しい場合は、ABM支援会社へ一部または全体を依頼できます。

ABM支援会社とは
ABM支援会社とは、ABMの戦略設計からターゲット企業の選定、データ基盤の整備、施策の実行、営業連携、効果測定までを外部から支援する会社です。
ABMには、マーケティング、営業、データ、コンテンツ、ツール運用などの知識が必要です。また、狙う企業を決めるだけではなく、企業ごとに施策を実施し、その反応を営業活動へつなげなければなりません。
ABM支援会社を活用すると、社内に不足している知識や実行リソースを補えます。ただし、すべての会社が戦略から実行まで対応しているわけではありません。戦略設計を中心とする会社、企業データやツールの活用を支援する会社、広告・メール・架電などの実務を代行する会社などがあります。
ABM支援会社に依頼できる5つの業務
ABM支援会社へ依頼できる業務は、主に次の5つです。
1.戦略設計
ABMを実施する目的、狙う市場、ターゲット企業の選定基準、KPI、実行計画を設計します。マーケティング部門と営業部門の役割分担や、どの企業を優先するかを決める会議体の設計も支援範囲に含まれる場合があります。
2.データ・ツールの整備
既存顧客、商談履歴、企業属性などのデータを整理し、ターゲット企業の候補を作成します。MA、SFA、CRMなどを設定し、対象企業との接点や商談状況を確認できる環境を整える支援もあります。既存ツールを利用する場合は、データの連携方法や管理ルールも確認が必要です。
3.施策の実行
ターゲット企業の業界、課題、検討状況に合わせて、コンテンツ、広告、メール、手紙、ウェビナー、架電などを企画・実行します。
施策の企画だけを行う会社もあれば、制作、配信、運用まで代行する会社もあります。実行を依頼する場合は、制作本数やアプローチ件数だけでなく、施策の結果をどのように改善へ反映するかも確認しましょう。
4.営業との連携
マーケティング施策への反応を営業へ共有し、次にどの企業へアプローチするかを決める仕組みを整えます。リードや企業情報を営業へ引き渡す条件、営業から商談結果を戻す方法、定例会議の進め方なども支援対象です。会社によっては、インサイドセールスや商談創出まで対応します。
5.効果測定・改善
対象企業との接点、コンテンツへの反応、商談数、受注数などを分析し、ターゲット企業や施策を見直します。ABMでは、リード数だけで成果を判断しません。狙った企業との接点が商談・受注へどうつながったかを確認し、企業ごとに次の施策を決めます。

ABM支援会社の3つのタイプ

ABM支援会社は、主な役割によって「戦略・伴走型」「データ基盤・ツール活用型」「実行支援型」の3タイプに整理できます。
| タイプ | 主に担う領域 | 向いている課題 | 自社に残りやすい作業 |
|---|---|---|---|
| 戦略・伴走型 | 戦略、ターゲット、KPI、体制設計 | 何から始めるか決まっていない | コンテンツ制作、広告、データ整備など |
| データ基盤・ツール活用型 | 企業データ、MA・SFA・CRM、可視化 | データが分散し、対象企業の状況が見えない | データを見た意思決定と施策実行 |
| 実行支援型 | コンテンツ、広告、メール、架電など | 計画はあるが実行する人手が足りない | 対象企業の最終決定と成果判断 |
※この分類は、支援会社が主に何を担うかを整理したものです。複数のタイプにまたがる会社もあります。
戦略・伴走型
戦略・伴走型は、ABMを実施する目的、ターゲット企業の選定基準、KPI、営業との役割分担などを設計します。定例会議を通じて、施策の優先順位や進捗管理まで伴走する会社もあります。
「ABMに取り組みたいが、対象企業の決め方が分からない」「マーケティングと営業の認識がそろっていない」といった企業に向いています。
ただし、施策の実行やデータ整備が契約に含まれないこともあります。設計後に自社や別会社が担当する業務を確認しましょう。
データ基盤・ツール活用型
データ基盤・ツール活用型は、企業データの整備、ターゲットリストの作成、MA・SFA・CRMの設定、対象企業の行動データの可視化などを支援します。
顧客情報が部門やツールごとに分散し、「狙う企業とどこまで接点を持てているか分からない」という企業に向いています。
一方、データを見て、どの企業へどの施策を行うかを決める役割は自社に残る場合があります。ツールの導入だけでなく、誰が判断し、誰が動かすかまで決めることが重要です。
実行支援型
実行支援型は、ターゲット企業向けの広告、コンテンツ、メール、手紙、フォーム送信、架電などの実務を担います。
ターゲットや方針は決まっているものの、制作やアプローチに必要な人員が足りない企業に向いています。
依頼する際は、対象企業を選ぶ基準と成果の判断基準を自社でも持ちましょう。実行件数だけを追うと、ABMの目的である商談・受注とのつながりが見えにくくなります。
ABM支援会社を選ぶ5つの軸

ABM支援会社は、次の5つの軸で比較します。
| 選定軸 | 確認すること | 問い合わせ時の質問例 |
|---|---|---|
| 支援範囲 | 自社の不足を補えるか | 戦略から実行まで、どこを担当しますか |
| 商談・受注との接続 | 営業と同じ数字を見られるか | 報告に商談数と受注数を含められますか |
| 支援体制 | 必要な専門人材と全体を統括する責任者がいるか | 誰がプロジェクト全体を統括し、各担当者とどのように連携しますか |
| 引き渡し物 | 支援後に何が残るか | 契約終了時に何を引き渡しますか |
| 費用・契約条件 | 総額と条件が明確か | 見積もりに含まれない業務は何ですか |
必要な支援範囲をカバーしているか
自社で対応できない不足業務と、候補会社の支援範囲を照らし合わせます。
たとえば、ターゲット企業は決まっているものの、企業データの整備や施策実行ができていない場合、戦略策定だけを得意とする会社では課題を解決できない可能性があります。
問い合わせ時には、次の点を確認しましょう。
- 戦略設計から施策実行まで、どこを担当しますか
- 自社で担当する必要がある業務は何ですか
- 対応していない業務はありますか
- 他の支援会社やツールとの連携は可能ですか
- 営業部門との連携は支援範囲に含まれますか
対応できる業務の多さではなく、自社に不足している業務を補えるかで判断することが重要です。
営業部と同じ数字まで見るか
ABMでは、マーケティング部門と営業部門が同じ対象企業と成果指標を見ることが重要です。支援会社には、次の点を確認しましょう。
- 報告書に商談数と受注数を含められるか
- 営業部の会議や定例へ参加できるか
- SFA・CRMのデータを分析へ利用できるか
- 商談結果を施策やターゲット選定へ反映できるか
- マーケティングと営業でKPIをそろえる支援が含まれるか
リード獲得までしか担当しない会社でも、商談結果を分析できれば施策改善へつなげられます。責任範囲と報告範囲を分けて確認しましょう。
支援体制が整っているか
ABMでは、戦略設計やデータ分析、施策の実行、営業活動などを横断して進めます。そのため、各領域の専門人材だけでなく、プロジェクト全体を統括する責任者がいるかを確認しましょう。
契約前には、実際に支援を担当するメンバーと役割分担、定例会の頻度、レポートの内容、日常的な連絡方法を確認します。提案担当者から別の担当者へ引き継がれる場合は、支援の品質や方針が維持される体制になっているかも重要です。
複数の施策を依頼する場合は、窓口や会議が増えすぎないかも確認してください。支援会社側に全体を取りまとめる責任者がいれば、進捗や成果を把握しやすく、自社側の調整負担も抑えられます。
支援終了後に何が引き渡されるか
知見が社内へ残るかを判断するには、契約終了時の引き渡し物を確認します。主な引き渡し物は、次の3つです。
- 資料
ターゲット企業のリスト、分析結果、施策レポート、制作データなど - 運用手順
リストの更新方法、施策の実施手順、ツールの設定・操作方法など - 判断基準
ターゲット企業の選定基準、営業へ渡す条件、施策を継続・中止する基準など
資料だけでなく、「なぜその企業を選んだのか」「なぜ施策を変更したのか」という判断基準まで共有されるかが重要です。将来的に内製したい範囲がある場合は、その業務の引き継ぎ方法を契約前に決めておきましょう。
費用の見積もりと契約条件
費用は、支援範囲、対象企業数、施策の種類、実行量、使用するツールによって変わります。金額だけでなく、見積もりに何が含まれているかを確認してください。
主な確認項目は次のとおりです。
- 月額契約か、プロジェクト単位か
- 戦略設計、制作、運用、分析のどこまで含まれるか
- 広告費やツール利用料は別途必要か
- 追加費用が発生する条件
- 最低契約期間と更新条件
- 中途解約の扱い
- 制作物やデータの権利
- 契約終了時の引き継ぎ
成果の評価方法も、見積もりと同時に確認しましょう。実行件数ではなく、商談・受注へどう接続するかまで合意することが重要です。

ABM支援会社7選|3つのタイプ別に比較
ここでは、ABM支援を公式サイトで確認できる7社を紹介します。
| 会社 | 主なタイプ | 主な支援範囲 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 株式会社シャコウ | 戦略・伴走型 | GTM・KPI設計、ABM、施策実行、データ可視化・改善 | コンサルティング・AI-BPO・SaaSを統合 |
| 株式会社イノーバ | 戦略・伴走型 | 現状診断、導入設計、パイロット実施、運用支援 | 準備状況に応じて段階的にABMを導入 |
| ferretソリューション | データ基盤・ツール活用型 | KPI設計、SFA・CRM整備、MA設計、コンテンツ制作 | 基盤構築から施策実行まで支援 |
| ワンマーケティング株式会社 | データ基盤・ツール活用型 | ABM、マーケティング・営業支援、MA・SFA活用 | 営業とマーケティングの仕組み化を支援 |
| 株式会社Emooove | 実行支援型 | ターゲット選定、リスト作成、マルチチャネル施策、追客 | 決裁者へのアプローチを一気通貫で実行 |
| 株式会社リベラルハーツ | 実行支援型 | 営業戦略、リスト作成、手紙・架電、商談創出 | 営業代行を中心にABM施策を支援 |
| ターゲットメディア株式会社 | 戦略・伴走型 | ターゲット選定、戦略・施策設計、実行推進、分析・改善 | ABM・カテゴリーマーケティングの立ち上げから運用まで伴走 |
※各社の主な支援内容をもとに整理しています。複数のタイプに該当する会社もあるため、実際の支援範囲は各社へご確認ください。
株式会社シャコウ
株式会社シャコウは、GTM戦略やKPIの設計から、ABMを含むマーケティング・営業施策、データの可視化、分析・改善までを支援します。
コンサルティング・AI-BPO・SaaSを一つのチームに統合し、戦略設計だけで終わらず、施策の実行や継続的な改善まで対応しています。
既存の支援会社やツールを整理し、戦略・実行・データの分断を解消したい企業に適しています。
公式サイト:https://shakou-inc.co.jp/
shakou-X:https://shakou-inc.co.jp/shakou-x/
株式会社イノーバ
株式会社イノーバは、ABMの準備状況を診断し、導入設計からパイロットプロジェクトの実施までを段階的に支援しています。
最初から全社へ展開するのではなく、現在のデータや体制を確認しながら、対象範囲を限定して導入・検証できる点が特徴です。
ABMの進め方を整理し、小さく検証してから本格展開したい企業に向いています。
公式サイト:https://innova-jp.com/
株式会社ベーシック
株式会社ベーシックは、ferretソリューションのABM支援で、ターゲット企業の重要度を定義し、KPIを設計したうえで、SFA・CRMを整備します。
セールスコンテンツの制作、MAのシナリオ設計、既存リードへのナーチャリングなど、基盤構築後の施策実行も支援範囲です。
既存のSFA・CRM・MAをABMへ活用したいものの、データ設計やコンテンツが整っていない企業に適しています。
公式サイト:https://basicinc.jp/
ABM支援:https://sol.ferret-one.com/service/abm_support
ワンマーケティング株式会社
ワンマーケティング株式会社は、BtoB企業のマーケティング・営業支援に加え、MA・SFAの設定や運用を支援しています。
一時的な施策だけでなく、営業とマーケティングの戦略、プロセス、体制、データを見直し、継続的に商談を生み出せる仕組みの構築を支援している点が特徴です。
営業とマーケティングのデータ分断を解消し、MA・SFAを活用したABMの運用基盤を整えたい企業に向いています。
公式サイト:https://www.onemarketing.jp/
株式会社Emooove
株式会社Emoooveは、ターゲット企業と決裁者の選定、リスト作成、LinkedIn、手紙、メール、架電などを組み合わせた施策、商談後の追客までを支援しています。
企業・人物データを活用し、複数のチャネルを組み合わせて意思決定者へアプローチする点が特徴です。
戦略だけでなく、決裁者との接点づくりや商談創出に必要な実務まで任せたい企業に適しています。
公式サイト:https://emooove.co.jp/
ABM支援サービス:https://emooove.co.jp/services/abm
株式会社リベラルハーツ
株式会社リベラルハーツは、営業戦略の設計、ターゲットリストの作成、CXOレター、インサイドセールスなどの営業支援を提供しています。
特定企業の意思決定者に対するアプローチから、商談機会の創出までを実務面から支援する会社です。
ターゲット企業は決まっているものの、アプローチや商談創出を実行するリソースが不足している企業に向いています。
公式サイト:https://www.liberalhearts.co.jp/
ターゲットメディア株式会社
ターゲットメディア株式会社は、ABM・カテゴリーマーケティングの立ち上げから実行までを支援しています。
ターゲット市場・企業の選定、攻略シナリオ、KPI、施策の設計に加え、実行体制やツールの整備、施策のディレクション、効果分析・改善までを伴走します。
高LTVの顧客に焦点を当て、ターゲット選定から施策運用まで一貫したABM体制を構築したい企業に適しています。
公式サイト:https://btobmarketing.tmedia.co.jp/
ABM・カテゴリーマーケティング立ち上げ支援:https://btobmarketing.tmedia.co.jp/solution/category_marketing/
ABM支援会社の費用相場
ABM支援会社の費用は、依頼する業務範囲や支援内容によって異なります。公開されている料金プランでは、運用支援は月額20万円〜、戦略設計から施策実行までを含む包括的な支援は月額40万円〜が一つの目安です。ただし、個別見積もりとなる会社も多く、一律の相場を示すことは難しいのが実情です。
主な支援内容ごとの費用目安は、以下のとおりです。
| 支援内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| ABM戦略策定・ターゲット選定 | 30万円〜(単発) |
| ABM施策の運用支援 | 月額20万円〜 |
| 戦略策定から施策実行までの包括的な支援 | 月額40万円〜 |
| データ基盤・ツールの導入・活用 | ツールや利用規模により異なる |
※各社の公開料金を参考にした目安であり、市場全体の平均価格ではありません。
費用は、ターゲット企業数、実施する施策の種類、支援期間、営業部門との連携範囲などによって変動します。また、ツールの利用料や広告費、コンテンツ制作費などが別途発生する場合もあります。
支援会社を比較する際は、月額料金だけでなく、契約金額に含まれる業務範囲を確認することが重要です。 自社で対応できる業務と外部に委託したい業務を整理し、必要な支援を受けられる会社を選びましょう。
ABM支援会社を選ぶ前に整理する5つのこと
支援会社へ相談する前に、自社の課題や現在の体制を整理しておくと、必要な支援範囲を判断しやすくなります。
すでに複数の支援会社やツールを利用している場合は、新しい会社を追加する前に、既存の役割分担を確認することが重要です。次の5項目を順番に整理しましょう。

自社の課題を戦略・データ・実行に分ける
まず、ABMを進めるうえで何が不足しているのかを、「戦略」「データ」「実行」の3領域に分けます。
戦略の確認:
- 狙う企業と、その企業を選んだ理由を説明できるか
- ABMで改善したい商談数や受注数を決めているか
- マーケティングと営業の役割分担が明確か
データの確認:
- 対象企業との接点履歴を一か所で確認できるか
- マーケティング施策と商談・受注を結び付けられるか
- 企業、部門、担当者などの必要な情報がそろっているか
実行の確認:
- 対象企業に合わせた施策を実行できているか
- 必要なコンテンツを継続的に制作できるか
- マーケティング施策と営業活動の時期を合わせているか
「いいえ」が多い領域が、外部支援を優先して検討すべき領域です。
現在の支援会社とツールの役割を棚卸しする
次に、現在利用している支援会社とツールを一覧にします。
| 領域 | 支援会社・ツール | 担当業務 | 誰が動かしているか | 現在の成果指標 |
|---|---|---|---|---|
| 戦略設計 | 戦略支援A社 | ターゲット・KPI設計 | マーケティング課長 | 対象企業数 |
| データ整備 | 企業データベース、SFA | リスト・商談情報の管理 | 営業企画 | 登録企業数 |
| 施策実行 | 制作B社、広告C社 | コンテンツ・広告 | マーケティング担当 | CV数 |
| 営業連携 | MA、SFA | リードの通知・共有 | マーケ・営業 | 商談数 |
| 効果測定 | 分析ツール | レポート作成 | マーケティング担当 | リード数、商談数 |
ツール名を書くだけでなく、誰が設定・運用し、データを見て判断しているかも記載してください。ツールは業務を効率化できますが、それ自体が戦略や施策を決めるわけではないためです。
一覧ができたら、複数の会社が同じ業務を担当していないか、必要な業務を誰も担当していない状態になっていないかを確認します。
依頼する業務と目標KPIを決める
課題と現在の体制を整理したら、支援会社へ任せる業務を決めます。
たとえば、戦略は社内で決められるものの、企業データの整備と施策実行が不足している場合、その2領域を依頼先の条件にします。すでに別会社が担当している業務を重ねて依頼すると、窓口や報告が増える可能性があります。
あわせて、成果を評価するKPIも決めましょう。ABMでは、次のように受注へ近づく流れで指標を整理します。
- 狙う企業の数
- 接点ができた企業の数
- 商談になった企業の数
- 受注した企業の数
- 受注金額
最初から精密な目標を設定できなくても構いません。現在の受注目標や平均的な商談化率から、仮の数字を置いて支援会社と調整しましょう。
社内の窓口と営業側の参加者を決める
ABMを外部へ依頼しても、自社側の判断や情報提供は必要です。支援会社とのやり取りを担当する窓口と、プロジェクトへ参加する営業担当者を決めておきましょう。
マーケティング部門だけで対象企業を選ぶと、営業部門から「優先すべき企業ではない」と判断される可能性があります。過去の商談、取引関係、失注理由などを把握する営業担当者が、ターゲット選定に参加することが重要です。
少なくとも、次の役割を明確にします。
- 支援会社との連絡をまとめる担当者
- ターゲット企業を最終決定する責任者
- 商談状況を共有する営業担当者
- 施策や予算を承認する責任者
窓口を明確にすることで、支援会社ごとに異なる依頼や回答を行う状態を防ぎやすくなります。
予算と契約期間の希望を決める
最後に、ABM支援へ使える予算と、希望する契約期間を整理します。
費用は、戦略設計だけを依頼するのか、データ整備や施策実行まで任せるのかによって異なります。予算を決める際は、支援会社への費用だけでなく、広告費、ツール利用料、コンテンツ制作費なども確認しましょう。
契約期間については、単に「何か月依頼するか」だけでなく、次の点を決めておきます。
- いつ最初の評価を行うか
- どの指標を確認するか
- どの条件で施策を継続・変更するか
- 契約終了時に何を引き継ぐか
ABMの成果が出る時期は、自社の商談から受注までの期間によって変わります。短期間の接点数だけで判断せず、商談・受注を評価できる時期を支援会社とすり合わせることが重要です。


BtoBコンサルタント
柴犬先輩
自社に適した支援会社を見極めるには、事前の自社の課題の整理が必要だよ。
ABM支援会社に依頼した後の進め方
ABM支援は、一般的に「ターゲットアカウントの選定」「施策の設計・実行」「営業との連携」の順で進みます。
外部へ任せきりにするのではなく、各段階で支援会社と自社の役割を決めることが重要です。

ターゲットアカウントを選定する
最初に、既存顧客、商談履歴、企業規模、業界、収益性などを分析し、対象企業の候補を作成します。
支援会社は企業データの分析や候補リストの作成を担えますが、最終決定には自社の営業部門が持つ情報も必要です。過去の取引、失注理由、組織変更、アプローチの難易度など、データだけでは判断できない事情があるためです。
候補の選定基準と、最終的な決定者をあらかじめ決めておきましょう。
ターゲット企業ごとの施策を設計・実行する
次に、対象企業の業界、課題、検討状況、意思決定者に合わせて施策を設計します。
主な施策には、専用コンテンツ、広告、メール、手紙、ウェビナー、架電などがあります。すべての企業へ同じ施策を行うのではなく、企業の重要度や現在の関係性に応じて組み合わせます。
支援会社と自社のどちらがコンテンツ制作、配信、営業アプローチを担うのかも明確にします。
マーケティングと営業の活動を連携させる
マーケティング施策への反応を営業へ共有し、次に誰がどのようなアプローチを行うか決めます。
マーケティングと営業の動く時期がずれると、対象企業の関心が高まった機会を逃す可能性があります。週次や隔週などで定例を設け、反応があった企業、営業の対応状況、商談結果を共有する方法があります。
定例の頻度は、対象企業数や自社の営業体制に合わせて設定しましょう。

ABM支援の成果を評価する方法
ABMの成果は、すぐに変化する指標と、結果が出るまで時間がかかる指標を分けて評価します。リード数だけで判断せず、ターゲット企業との接点が商談・受注へどうつながったかを確認することが重要です。

ターゲット企業との接点を確認する
施策を始めた直後は、対象企業との接点が増えているかを確認します。主な指標は次のとおりです。
- 対象企業のWebサイト訪問
- コンテンツの閲覧・ダウンロード
- メールの開封・クリック
- 広告への反応
- 接点ができた企業数
- 接点を持てた部門・担当者数
これらは比較的早く変化する指標です。ただし、接点が増えただけでABMが成功したとは判断できません。
商談・受注への貢献を確認する
次に、対象企業との接点が商談や受注へつながっているかを確認します。主な指標には、次のものがあります。
- 対象企業から生まれた商談数
- 接点企業から商談への転換率
- 受注数・受注率
- 受注金額
- 既存顧客のアップセル・クロスセル
- 対象企業ごとの商談進捗
支援会社の報告書に、商談数や受注数が含まれるかを契約前に確認しましょう。
自社の受注期間に合わせて評価時期を決める
ABMで成果が出るまでの期間を一律に決めることはできません。商材の検討期間、対象企業の規模、意思決定に関わる人数によって異なるためです。
接点数やコンテンツ反応などは短い期間で確認し、商談・受注は自社の平均的な営業期間に合わせて評価します。
契約時には、「いつ、どの指標を確認するか」「どの条件で施策を継続・変更するか」を支援会社と合意しておきましょう。

ABM支援会社についてよくある質問
Q. ABM支援会社とは何ですか?
A. 特定の重要企業を選び、企業ごとにマーケティングと営業の活動を設計するABMを外部から支援するサービスを提供する会社です。戦略設計、データ整備、施策実行、営業連携、効果測定などが主な支援範囲です。
Q. マーケティング支援とABM支援は何が違いますか?
A. 一般的なマーケティング支援は、幅広い見込み顧客の獲得や育成を対象にします。ABM支援は、先に狙う企業を決め、マーケティングと営業が連携して商談・受注を目指す点が特徴です。
Q. ABMは内製と外部支援のどちらがよいですか?
A. 自社に残したい意思決定や顧客理解は内製し、専門知識や実行リソースが不足する領域を外部へ依頼する方法があります。外部へ任せる場合は、契約終了時の引き渡し内容も決めておきましょう。
Q. ABM支援の費用相場はどのくらいですか?
A. 費用は、戦略設計、データ整備、施策実行のどこまで任せるかや、対象企業数、実行量によって異なります。見積もりでは、含まれる業務、ツール・広告費、最低契約期間、追加費用を確認してください。
Q. ABM支援は成果が出るまでどのくらいかかりますか?
A. 必要な期間は、商材の検討期間や自社の営業プロセスによって異なります。接点企業数など早く動く数字と、商談・受注など遅れて動く数字を分け、自社の受注までの期間を基準に評価しましょう。
Q. ABMツールを導入すれば支援会社は不要ですか?
A. ツールは企業データの整理や施策の自動化に役立ちますが、対象企業の選定、施策の判断、営業との連携を行う人は必要です。社内で設計・運用できない領域がある場合は、外部支援を組み合わせる選択肢があります。
まとめ
ABM支援会社は、戦略・伴走型、データ基盤・ツール活用型、実行支援型の3タイプに整理できます。
会社を追加する前に、現在利用している支援会社とツールを棚卸しし、戦略・データ・実行のどこに重複や空白があるか確認しましょう。そのうえで、支援範囲、営業と共有する数字、窓口の数、引き渡し物、費用・契約条件の5軸で比較します。
ABMは外部へ任せるだけでは進みません。ターゲット企業の最終決定や営業活動には、自社の参加も必要です。
既存の会社やツールの役割を整理し、戦略から実行までの体制を見直したい場合は、シャコウにご相談ください。シャコウでは、BtoBマーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの全領域において、上流から下流まで幅広い支援が可能です。
ABMや、BtoBマーケティング・セールスの全体設計や各領域に関する課題をお持ちの方は、戦略・実行・クリエイティブ・セールスの四位一体の強みを持つシャコウにぜひご相談ください。





新卒BtoBマーケター
白ポメちゃん
どうやって自社に合う会社を選んだらいいの〜??