GTM戦略という言葉は知っていても、「マーケティング戦略と何が違うのか」「自社ではどこから着手すべきなのか」まで明確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。
GTM戦略に関する情報を調べるとさまざまなフレームワークが見つかります。しかし、型を理解しただけでは、自社の新規事業や新製品にそのまま当てはめられるとは限りません。
特にBtoB事業では、商材の単価や検討期間、意思決定者の数、既存の営業資産によって、優先的に検討すべき論点が異なります。また、海外発のフレームワークを、日本特有の稟議や商習慣を考慮せずに適用すると、実行段階で行き詰まることもあります。
本記事では、GTM戦略の定義やマーケティング戦略との違い、策定プロセスを体系的に解説します。さらに、フレームワークを一律になぞるのではなく、事業ステージや自社の状況から着手点を特定する方法まで紹介します。
この記事の重要ポイント
・GTM戦略は、「誰に・何を・どう届けるか」を設計する市場投入戦略である
・ターゲット・提供価値・販売チャネル・価格を一貫して設計することが重要である
・施策から考えず、Who・What・Howの順で整理する必要がある
・策定後はKPIで検証し、継続的に改善することが成果につながる
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GTM戦略とは何か|略称の意味と策定すべき局面
GTM戦略とは、特定の製品やサービスを市場へ投入し、顧客へ価値を届けるための全体的な方針と実行計画です。
単に「どのように販売するか」を決めるものではありません。誰を顧客とするのか、どのような価値を伝えるのか、どのチャネルを使うのか、どの価格で提供するのかまでを一貫して設計します。
GTMとは何の略か・ビジネスでの意味
GTMは、Go-to-Marketの略称です。日本語では「市場投入戦略」や「市場進出戦略」などと訳されます。
ビジネスにおいては、製品やサービスを市場へ投入する際に、次のような問いへ答えるための設計を意味します。
- 誰に提供するのか
- どのような課題を解決するのか
- どのような価値を伝えるのか
- どのチャネルを通じて届けるのか
- どの価格で販売するのか
GTM戦略は、販売チャネルや営業手法だけを決める「販売戦略」ではありません。市場・顧客・提供価値・販売方法をつなぎ、事業を市場へ届けるための全体設計です。
GTM戦略はどのような局面で策定すべきか
GTM戦略は、主に次の3つの局面で必要になります。
新規事業を立ち上げるとき
新規事業では、顧客や市場に関する前提がまだ固まっていません。誰のどのような課題を解決するのか、どの顧客から優先的に獲得するのかを整理しなければ、開発・マーケティング・営業がそれぞれ異なる方向へ進む可能性があります。
GTM戦略を策定することで、ターゲットや提供価値、販売方法について、部門間の共通認識を作りやすくなります。
新製品・新サービスをリリースするとき
既存事業の中で新しい製品を投入する場合も、従来と同じ顧客や販売方法が適しているとは限りません。既存顧客へ販売するのか、新しい顧客層を開拓するのかによって、訴求内容や営業チャネルは変わります。
製品開発が完了してから売り方を考えるのではなく、市場投入前からGTM戦略を設計することが重要です。
既存製品を新しい市場へ展開するとき
既存製品を別の業界や地域へ展開する場合も、GTM戦略の見直しが必要です。製品自体が同じでも、顧客課題、競合、商習慣、意思決定プロセスが変われば、従来のキーメッセージや販売チャネルが機能しない可能性があります。
自社がどの局面にあるかを確認することが、GTM戦略を考える最初の一歩です。
GTM戦略の全体像|マーケティング戦略との違いと5つの構成要素
GTM戦略は、市場分析やマーケティング、営業、価格設計など、複数の領域にまたがります。まずはマーケティング戦略との違いを整理したうえで、GTM戦略を構成する5つの要素を確認しましょう。
マーケティング戦略との違い
GTM戦略とマーケティング戦略は、対象範囲と時間軸が異なります。
| 比較項目 | GTM戦略 | マーケティング戦略 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 特定の製品・サービスを市場へ投入する | 市場で継続的に顧客を獲得・維持する |
| 対象 | 特定の製品・サービス | 企業・事業・ブランド全体 |
| 時間軸 | 市場投入前後を中心とした実行計画 | 中長期的・継続的な活動 |
| 主な論点 | ターゲット、提供価値、販売チャネル、価格、実行モデル | 市場選定、認知、需要創出、顧客獲得、ブランド形成 |
| 関係部門 | 経営、事業開発、プロダクト、マーケティング、営業 | 主にマーケティング、事業部門 |
マーケティング戦略は、市場における認知形成や見込み顧客の獲得など、継続的な活動を扱います。
一方、GTM戦略は、特定の製品やサービスを市場へ届け、事業として立ち上げるための実行計画です。マーケティングだけでなく、営業、プロダクト、価格、サポート体制まで含みます。
両者を混同すると、認知施策だけを検討して販売体制が整わない、あるいは営業施策だけを決めて顧客への提供価値が曖昧になるといった問題が生じます。

GTM戦略を構成する5つの要素と関連フレームワーク
GTM戦略は、主に次の5つの要素で構成されます。
| 構成要素 | 主な検討内容 |
|---|---|
| Market | どの市場へ参入するか |
| Target | どの顧客を優先するか |
| Value Proposition | 顧客へどのような価値を提供するか |
| Channel | どの販売・マーケティングチャネルを使うか |
| Price | どのような価格・料金体系で提供するか |
これらは独立した要素ではありません。例えば、ターゲット企業の規模や意思決定プロセスが変われば、適したチャネルや価格体系も変わります。GTM戦略では、各要素の整合性を確認しながら全体を設計する必要があります。
3C分析、DMU(Decision Making Unit)分析、ABM(Account Based Marketing)などのフレームワークは、GTM戦略そのものではなく、各要素を具体化するための分析ツールとして活用します。
- 3C分析:市場・競合・自社の関係を整理する
- DMU分析:BtoB購買に関与する人物や役割を整理する
- ABM:優先度の高い企業を特定し、個別にアプローチする
フレームワークを使うことを目的にせず、GTM戦略のどの要素を明確にしたいのかを先に定めることが重要です。



GTM戦略の策定プロセス|5つの検討ステップ
GTM戦略の策定では、次の5つのステップを検討します。
- ターゲット・ICPを定義する
- キーメッセージとバリュープロポジションを設計する
- バイヤージャーニーを設計する
- 販売・マーケティングチャネルを選定する
- 価格戦略を決める
ただし、自社の事業ステージや既存資産によって、優先すべきステップは異なります。必ずしも1から順番に進める必要はありません。
①ターゲット・ペルソナ・ICPの定義
ICP(Ideal Customer Profile)とは、自社の製品やサービスが特に高い価値を提供できる理想的な顧客企業像です。
BtoB事業では、次のような項目からICPを整理します。
- 業界
- 企業規模
- 売上規模
- 地域
- 担当部署
- 意思決定者の役職
- 抱えている課題
- 現在利用している仕組みやツール
- 購買条件や予算
例えば、「中堅企業」をターゲットとするだけでは、具体的な営業活動にはつながりません。「従業員300〜1,000人の製造業で、複数拠点の営業管理に課題があり、営業企画部門が存在する企業」のように、属性と課題を組み合わせて整理します。
このとき確認したいのが、「自社が売りたい顧客」と「実際に高い価値を提供できる顧客」が一致しているかという点です。既存顧客がいる場合は、受注率、継続率、利益率、活用状況などのデータから、成果が出やすい顧客の共通点を確認しましょう。
②キーメッセージ・バリュープロポジションの策定
バリュープロポジションとは、顧客に提供する価値の本質です。一方、キーメッセージは、その価値を顧客へ伝えるための言葉です。
両者は似ていますが、役割が異なります。
- バリュープロポジション:顧客が自社を選ぶ理由
- キーメッセージ:その理由を顧客へ伝える表現
キーメッセージは、次の4つの問いから整理します。
- 誰に伝えるのか
- どのような価値を提供するのか
- なぜ今、必要なのか
- なぜ競合ではなく自社なのか
例えば、「営業効率を向上させるツール」という表現だけでは、競合との差が伝わりません。「複数拠点で営業プロセスが分断されている中堅製造業に対し、営業データを一元化し、拠点横断で受注プロセスを標準化する」と整理すれば、対象顧客と提供価値が明確になります。
自社の機能や特徴を並べるのではなく、顧客の課題と得られる変化を中心に設計しましょう。
③バイヤージャーニー設計
バイヤージャーニーとは、顧客が課題を認識し、製品やサービスを比較・検討して、意思決定に至るまでの流れです。
一般的には、次の段階で整理します。
- 認知
- 検討
- 比較
- 意思決定
BtoB事業では、一人の顧客だけで意思決定が完結するとは限りません。利用部門、導入推進者、情報システム部門、経理部門、決裁者など、複数の関係者が購買に関与します。これらの意思決定関与者をDMUと呼びます。
バイヤージャーニーを設計する際は、各段階で次の点を整理します。
- 誰が情報を探しているか
- どのような課題を感じているか
- どの情報が必要か
- 誰の合意を得る必要があるか
- 次の段階へ進むための障壁は何か
担当者が必要とする情報と、決裁者が必要とする情報は異なります。担当者には機能や運用方法、決裁者には投資対効果や事業インパクト、情報システム部門にはセキュリティや連携方法など、関係者ごとに適した情報を設計することが重要です。

④販売・マーケティングチャネルの選定
主な販売チャネルには、次のようなものがあります。
- セルフサービス
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- パートナー・代理店チャネル
チャネルは、商材単価や検討期間、意思決定者の数などを踏まえて選びます。
| 商材・顧客の特徴 | 適したチャネルの例 |
|---|---|
| 低単価で導入が容易 | セルフサービス |
| 比較的短い説明で価値が伝わる | インサイドセールス |
| 高単価で個別提案が必要 | フィールドセールス |
| 特定業界や地域への販売網が必要 | パートナー・代理店 |
| 意思決定者が多く検討期間が長い | インサイドセールスとフィールドセールスの連携 |
一つのチャネルに限定する必要はありません。デジタル施策で見込み顧客を獲得し、インサイドセールスが検討状況を確認したうえで、フィールドセールスが個別提案を行うなど、複数のチャネルを組み合わせる方法もあります。

⑤価格戦略
価格の設定方法は、主に次の3つに分けられます。
- コストベース:原価や必要利益から価格を決める
- 競合ベース:競合製品の価格を基準にする
- バリューベース:顧客が得る価値を基準にする
GTM戦略では、価格そのものだけでなく、価格と市場投入時のメッセージが一致しているかを確認します。例えば、高価格帯のサービスであるにもかかわらず、訴求内容が機能や安さに偏っていると、顧客に価値が伝わりません。
反対に、導入の手軽さを訴求しながら、複雑な個別見積もりが必要な場合も、メッセージと購買体験に矛盾が生じます。価格、提供価値、販売方法を一貫して設計することが重要です。

BtoBコンサルタント
柴犬先輩
必ずしも1から順番に進める必要はなく、自社の状況によって優先するステップを決めよう!
GTM戦略の実行モデルの選び方と競合分析の位置づけ
GTM戦略の実行モデルは、商材の特性や顧客の購買プロセスに応じて選びます。
| 実行モデル | 向いているケース | 主な特徴 |
|---|---|---|
| セルフサービス | 低単価・標準化された商材 | 顧客自身で比較・契約・利用開始できる |
| インサイドセールス | 中単価・オンラインで説明可能な商材 | 非対面で顧客を育成し商談化する |
| フィールドセールス | 高単価・複雑な課題解決型商材 | 顧客ごとの提案や合意形成を支援する |
| パートナー・チャネル | 業界知識や地域ネットワークが必要な商材 | 外部企業の販売網や信頼を活用する |
競合分析や市場調査は、GTM戦略の中で独立した一工程として一度だけ行うものではありません。ターゲット設定では競合が狙っていない顧客層を確認し、バリュープロポジション設計では競合との違いを整理し、価格設計では市場の価格帯を確認します。
つまり、競合分析はGTM戦略の各ステップを支える前提情報です。他社の成功事例を参考にする場合も、採用したチャネルや施策だけをまねるのではなく、商材単価、顧客層、意思決定プロセス、既存のブランド力などの前提条件を確認する必要があります。
GTM戦略における日本市場特有の成功要因|海外フレームワークが機能しない理由
GTM戦略の多くは海外で体系化された考え方ですが、海外企業の事例やフレームワークをそのまま日本市場へ適用できるとは限りません。
特にBtoB事業では、稟議、複数部門の合意形成、取引実績や信頼関係、導入後の支援体制が意思決定に影響します。
信頼構築・稟議プロセスへの対応が重視される理由
日本企業のBtoB購買では、担当者が製品を評価しても、その場で導入が決まるとは限りません。上司、関連部門、経理、情報システム、役員など、複数の関係者による承認が必要となる場合があります。
そのため、GTM戦略では、個人の意思決定だけでなく、社内合意をどのように支援するかまで設計する必要があります。
例えば、次のような情報が求められます。
- 稟議に使える導入効果の説明
- 投資対効果
- 同業他社の導入事例
- セキュリティ・運用体制
- 導入スケジュール
- 社内展開に必要な工数
営業担当者との関係構築だけではなく、担当者が社内で説明しやすい情報を提供することが重要です。
手厚いサポート体制が評価される背景
日本市場では、製品の機能や価格だけでなく、導入前後の支援体制が評価される傾向があります。特に、新しい業務プロセスやシステムを導入する場合、顧客は次のような不安を抱えます。
- 現場へ定着するか
- 初期設定や移行を進められるか
- 導入後に問い合わせできるか
- 活用方法を継続的に支援してもらえるか
そのため、GTM戦略では、販売チャネルだけでなく、オンボーディングやカスタマーサクセスを含めた実行モデルを設計する必要があります。海外でセルフサービス型が成立している商材でも、日本市場では導入支援や伴走体制を加えることで、受注や継続利用につながりやすくなる場合があります。
GTM戦略でよくある失敗パターン
GTM戦略では、精緻な計画を作ることよりも、現在の事業ステージに合った論点を検討することが重要です。代表的な失敗として、次の2つが挙げられます。
PMF前に本格的な市場投入を進めてしまう
PMF(Product Market Fit)とは、製品やサービスが特定の市場や顧客ニーズに適合している状態です。顧客課題や提供価値の仮説が十分に検証されていない段階で、広告投資や営業人員の拡大を進めると、成果が出ないままリソースを消費する可能性があります。
PMF前は、販売チャネルを拡大するよりも、次の点を確認することが優先されます。
- 顧客が実際に課題を感じているか
- 製品が課題解決につながっているか
- 対価を支払う意思があるか
- 継続的に利用されるか
WhoとWhatが曖昧なままHowを決めてしまう
「展示会に出展する」「インサイドセールスを立ち上げる」「広告を配信する」など、販売方法から考え始めるケースもあります。しかし、誰に売るのか、どのような価値を提供するのかが曖昧な状態では、適切なチャネルを判断できません。
GTM戦略では、次の順序が重要です。
- Who:誰に届けるか
- What:どのような価値を届けるか
- How:どのように届けるか
チャネルや営業施策が機能しない場合、Howだけを改善するのではなく、WhoとWhatに立ち戻る必要があります。
GTM戦略の着手点を診断|フレームワークをなぞる前に確認すべきこと
GTM戦略のフレームワークを学んでも、自社で何から着手すべきか判断できないことがあります。その理由は、事業ステージや商材特性、既存の営業資産によって、ボトルネックが異なるためです。
すべての企業がターゲット設定から順番にやり直す必要はありません。自社の現在地を確認し、不足している要素から着手することが重要です。
事業ステージごとの起こりやすいボトルネック
| 事業ステージ | 起こりやすいボトルネック | 優先的に確認したいこと |
|---|---|---|
| PMF前 | 顧客課題や提供価値が定まっていない | ターゲット・バリュープロポジション |
| PMF直後 | 成功パターンが一部顧客に限られている | ICP・再現性のある顧客条件 |
| 拡大段階 | 営業チャネルや人員が成果に追いつかない | 実行モデル・チャネル・KPI |
| 新市場展開 | 既存の訴求や営業方法が機能しない | 市場・競合・バイヤージャーニー |
| 既存事業の再成長 | 顧客層やチャネルが固定化している | ターゲット・提供価値・営業資産 |
PMF前は、販売チャネルを増やすよりも、顧客と提供価値の適合を確認することが優先されます。
PMF後に事業を拡大する段階では、ターゲット像が一定程度定まっているため、チャネル、営業体制、KPI運用がボトルネックになりやすくなります。
既存の顧客基盤や営業人員、販売パートナーがある企業では、それらの資産を活用できるかも重要な判断材料です。
着手点を特定する簡易チェック項目
次の項目を確認して、自社の着手点を整理しましょう。
ターゲット
- 優先する顧客像が具体的に言語化されている
- 経営・マーケティング・営業でターゲットの認識が一致している
- 既存顧客データから、成果が出やすい顧客の共通点を説明できる
明確でない場合は、ICPやターゲットの定義から着手します。
バリュープロポジション
- 顧客が抱える課題を顧客の言葉で説明できる
- 競合ではなく自社が選ばれる理由を説明できる
- 機能ではなく、顧客が得られる変化を言語化できる
説明できない場合は、顧客ヒアリングや受注・失注分析を通じて提供価値を見直します。
チャネル・営業資産
- 現在の販売チャネルで、ターゲット顧客へ接点を作れている
- 商材単価や検討期間に合った営業体制がある
- 既存顧客、営業人員、コンテンツ、パートナーなどを活用できる
不足している場合は、新しいチャネルを増やす前に、既存資産の活用可能性を確認します。
実行・検証体制
- GTM戦略を推進する責任者が決まっている
- マーケティング・営業・プロダクトが連携できる
- 成果を確認するKPIとレビューの場がある
不足している場合は、施策の検討よりも先に、推進体制と意思決定プロセスを整える必要があります。
フレームワークの型を理解しても、実際にどこから着手すべきかは、自社の事業構造や商習慣を確認しなければ見えてきません。BtoBマーケ定石診断では、この落とし込みの壁を最短1カ月で戦略方針にまで具体化します。
GTM戦略の評価指標(KPI)設計|策定して終わりにしないために
GTM戦略は、市場投入時の計画を作成して終わりではありません。仮説どおりに顧客を獲得できているかをKPIで確認し、ターゲット、メッセージ、チャネル、価格を継続的に見直す必要があります。
KPIは、バイヤージャーニーの各段階に合わせて設定します。
| フェーズ | KPI例 |
|---|---|
| 認知 | Webサイト流入数、コンテンツ閲覧数、指名検索数 |
| 獲得 | リード獲得数、問い合わせ数、資料ダウンロード数 |
| 商談化 | 商談数、商談化率、有効商談率 |
| 提案 | 提案件数、提案化率、案件化率 |
| 受注 | 受注数、受注率、平均受注単価 |
| 継続 | 継続率、解約率、利用率、アップセル率 |
重要なのは、最終成果だけでなく、どの段階にボトルネックがあるかを把握できるようにすることです。
例えば、リード数は多いものの商談化率が低い場合は、ターゲットや獲得チャネルが適切でない可能性があります。
商談数は十分でも受注率が低い場合は、バリュープロポジション、提案内容、価格、稟議支援に課題があるかもしれません。
KPIは、次のようなサイクルで見直します。
- 実績を確認する
- 目標との差を把握する
- ボトルネックの仮説を立てる
- 施策を変更する
- 結果を再検証する
GTM戦略の策定に必要な費用や工数は、対象となる商材数、顧客ヒアリングの範囲、既存データの整備状況などによって変わります。外部支援を利用する場合は、戦略資料の作成だけでなく、施策実行やKPI改善までどこまで支援範囲に含まれるかを確認しましょう。
実行モデルの型を理解したうえで、自社の商材・商習慣に合う選択肢まで絞り込みたい場合は、診断ベースでの戦略策定支援も選択肢となります。戦略策定で終わらせず、マーケティング・セールスBPOまで一貫して伴走できる体制であれば、実行への移行も進めやすくなります。

まずは自社のGTM戦略の着手点を明確に
GTM戦略には、すべての企業に共通する唯一の正解があるわけではありません。PMF前の事業と、既存顧客を持つ拡大段階の事業では、優先すべき検討事項が異なります。また、同じ商材でも、ターゲット企業の規模や意思決定プロセスによって、適したチャネルや実行モデルは変わります。
ここまでの内容を踏まえ、自社のGTM戦略をどこから具体化すべきか整理したい方は、BtoBマーケ定石診断による戦略策定支援をご活用ください。自社の事業構造、顧客、既存の営業資産、実行体制を確認し、最短1カ月で戦略方針を見える化します。
まとめ|GTM戦略を自社の着手点まで具体化する
GTM戦略とは、特定の製品やサービスを市場へ投入し、顧客へ価値を届けるための全体設計です。
本記事の要点を整理します。
- GTM戦略は、誰に・何を・どのように届けるかを設計する市場投入戦略
- マーケティング戦略よりも、特定商材の市場投入と実行に焦点を当てる
- 9ステップ、3フェーズ、7手順、5要素は、事業ステージと検討目的に応じて使い分ける
- 策定では、ターゲット、提供価値、バイヤージャーニー、チャネル、価格を一貫して設計する
- 日本市場では、稟議、信頼構築、導入後のサポート体制も考慮する
- フレームワークを順番になぞるのではなく、自社のボトルネックから着手する
- 策定後はKPIを定期的に確認し、戦略を継続的に見直す
まずは、自社のターゲット、提供価値、販売チャネル、実行体制が明確になっているかを確認してみましょう。
社内だけでは着手点を判断しにくい場合は、第三者の診断を通じて現在地を整理し、優先すべき論点を明確にすることも一つの方法です。
GTM戦略に関するよくある質問
Q1:GTM戦略とはなんですか?
GTM(Go-to-Market)戦略とは、新しい製品やサービスを市場へ投入する際に、「誰に・どのような価値を・どのような方法で届けるか」を設計する市場投入戦略です。ターゲット顧客、提供価値、販売チャネル、価格、実行体制を一貫して設計することで、市場投入後の成果を高めます。
Q2:GTM戦略を体系的に学べる本・教科書はありますか?
GTM戦略の全体像や策定方法を体系的に解説した書籍や教科書は複数あります。「GTM戦略の教科書」などの関連書籍に加え、本記事でも定義、構成要素、策定プロセス、着手点の考え方まで体系的に整理しています。
Q3:すぐ使えるGTM戦略のテンプレートはありますか?
ターゲット、バリュープロポジション、チャネル、KPIなどを整理するテンプレートは、検討の出発点として役立ちます。ただし、自社の事業ステージや商習慣を確認せずに項目を埋めるだけでは、実行につながらない可能性があります。
Q4:GTM戦略とRTMは何が違いますか?
GTMは、誰に・何を・どのように届けるかという市場投入の全体設計です。RTM(Route-to-Market)は、その中でも販売チャネルや流通経路など、顧客へどのルートで届けるかに重点を置いた実行設計を指します。




新卒BtoBマーケター
白ポメちゃん
どんな場面で必要なのかがわかりました!でも、マーケティング戦略との違いって…?