本記事では、BtoBのサイトに最低限備えておくべき機能と、実際に問い合わせ・資料請求などのコンバージョンを増やすためのLP(ランディングページ)制作の考え方と具体策を、現場目線で整理してお伝えします。

この記事は株式会社シャコウが運営するYouTubeチャンネル「BtoBマーケ研究所」の動画、「BtoBマーケで必要とされるサイト機能と顧客に「刺さる」LP制作の極意とは?」の要約記事となります。資料はこちらからダウンロードできます。

BtoBサイトに必要な機能と役割

BtoBサイトはBtoCほど施策の選択肢が多くない分、基本構造は比較的一致します。以下のページ・機能を揃えておくことが、デジタルを起点にしたコンバージョン獲得の基本です。

  • トップページ
  • サービスページ/サービスLP(個別商材の紹介と資料請求導線)
  • 記事ページ(SEOコンテンツ)
  • 導入事例(ケーススタディ)
  • ウェビナーページ(開催情報、申し込み)
  • お知らせ(ニュース)
  • 会社概要(About)
  • 問い合わせフォーム
  • ホワイトペーパーダウンロードページ

トップページ、サービス、記事、導入事例、ウェビナー、ホワイトペーパー等を9つのブロックに分けて示すBtoBサイト構成図

これらは「受け皿」を多層に持つためです。訪問者の温度感はさまざまなので、問い合わせだけに頼るとコンバージョン母数が極端に少なくなりがちです。ハードルの違うコンバージョン地点(ホワイトペーパー、ウェビナー、資料請求、問い合わせ)を階段状に用意しておくことが大切です。

ホワイトペーパーとウェビナーの最適レイアウト

ホワイトペーパーやウェビナーは訪問者が「情報を得たい」という動機で行動するため、入力フォームのハードルを下げることが重要です。典型的なレイアウトは以下のような見開き型です。

  • 左側:アイキャッチ画像、対象読者や概要の短い説明
  • 右側:ダウンロード/申込フォーム(必要最低限の入力項目)

入力項目を増やしすぎると離脱が増えるため、必要最小限に留めること。ウェビナーは特に「誰が登壇するか」「テーマ」が重要な判断基準になるため、アイキャッチでその魅力が伝わるかがほぼ全てと言って良いほど重要です。

ウェビナーのページレイアウトを示すスライド。登壇者情報の見せ方が分かる構成で、右上に話者の丸いサムネイルが表示されている。

顧客に刺さるサービスLPの作り方

サービスLPは自由度が高く企業によって作り方はまちまちですが、BtoBで刺さるLPには共通の「王道構成」があります。営業のプレゼン体験をWeb上で自己完結させるつもりで設計します。

基本の流れ(王道構成)

  1. ファーストビュー+キャッチコピーで一瞬で引きつける
  2. 顧客の悩みや課題に共感を示すパート
  3. 課題解決の気づき提示/啓蒙パート(どう考えるべきか)
  4. 自社サービスが解決できることを説明
  5. 導入企業や事例で安心感を補強
  6. 資料請求や問合せにつながる導線

ファーストビュー(FV)を赤枠で強調したBtoB LPの構成スライド

特にファーストビューは重要です。ここで「このサービスは何をしてくれるのか」が瞬時に理解でき、かつ資料請求などの次の行動が取りやすくなっていると、CVRが大きく改善するデータもあります。説明はシンプルに、アピールポイントは2〜3点に絞ると読みやすくなります。

悩みの共感パートは単なる一般論ではなく、営業現場で出る具体的でリアリティのある文言を使うのが効果的です。顧客の声やヒアリングを活用して、想定読者が「それ、分かる」と思える表現を探しましょう。

難解な商材や高額商材はLPだけで説明しきれないことがあるため、ウェビナーやホワイトペーパー、SEO記事などの補助コンテンツを組み合わせて納得感を育てる運用が有効です。

導入事例(ケーススタディ)の重要性

導入事例は問い合わせ前に顧客が必ず確認する重要コンテンツです。業界や規模が似た導入実績があると安心感が増します。調査では導入事例がある程度量(目安として10〜12本程度)揃うとCVRが高まる傾向が示されています。

Clear presentation slide showing charts and documents that indicate having around 10-12 case studies improves CVR

ただし、導入事例を多数作るのはコストがかかります。取材を効率化するために事前に取材進行表や質問項目を整備し、インタビューをスムーズに進められる運用設計が重要です。

よくある論点:コーポレートサイトとサービスサイトは分けるべきか

これは会社の体制や目的によりトレードオフがあります。主な観点は以下の通りです。

ドメイン統合 ドメイン分離
メリット 既存のコーポレートドメインのSEO評価が活かせるため、新サイトの立ち上げが有利 サービスごとにスピード感ある運用が可能。マーケティング投資のROIが明確に管理しやすい
デメリット 部署をまたぐ調整が必要になり、細かな変更で承認フローが増え、スピードが落ちる ドメイン評価が分散し、SEOで時間がかかる可能性がある

スライド:コーポレートサイトとサービスサイトの統合/分離のメリット・デメリット(図解)

自社の社内体制や運用スピード、SEO重視かどうかを踏まえて判断してください。

サービスLPのSEO対策、ウェビナーとの相乗効果

サービスLPにもSEO対策は必須です。キーワードには「インフォメーショナル(ノークエリー)」と「トランザクショナル(バイ・クエリー)」があり、後者は購買・資料請求と直結するキーワードです。サービスLPはバイ・クエリーと相性が良く、大きなカテゴリキーワードが取れれば効果は非常に大きいです。

サービスLPのSEO対策を説明するスライド。検索結果とH1・H2・H3の例が表示されている。

実装上はHTMLの見出し(H1/H2/H3)やタイトル、meta descriptionを適切に設定するだけでも検索上での強さが変わります。

さらに、ウェビナーは自社主催で他者を招く形にすると、他社からのリンク獲得や情報拡散が期待できます。SEO観点では自社主催+他者登壇の形がポジティブに働くケースが多いです。

すぐに効果を出せる施策

Webサイトの改修には開発コストと期間がかかります。短期でインパクトを出したい場合は外部ツールで実装するポップアップが有効です。タグを埋めるだけで実装でき、以下のような使い方が有効です。

  • SEO記事に訪れたユーザーに対してダウンロードを促すポップアップ
  • サービスLPでスクロールに応じてフッターバナーを表示
  • 離脱検知でホワイトペーパーやウェビナーへ誘導

開発が停滞している間は、こうした簡易施策で一時的にCVR改善を図るのも現実的な対応です。

まとめと実行のポイント

要点を整理します。

  • BtoBサイトは「受け皿」を多層に持つこと。ホワイトペーパー、ウェビナー、サービスLP、問い合わせを階段設計する。
  • ホワイトペーパーとウェビナーは入力項目を最小化し、アイキャッチで訴求すること。
  • サービスLPは営業の会話をWeb上で再現するつもりで、ファーストビューで何をするサービスかを一瞬で伝える。
  • 導入事例は目安として10本程度を目指す。取材オペレーションを整備して効率化する。
  • ドメイン統合と分離はトレードオフ。SEO重視かスピード重視かで判断する。
  • サービスLPのSEOはHTML設計をきちんと行うことで効果が出る。ウェビナーは被リンク獲得の機会にもなる。
  • 短期施策としてポップアップ等の外部ツール活用は有効。

BtoBマーケティングとセールスを一気通貫で支援する全体設計図のプレゼン画面

BtoBマーケティングはデジタルでの接点からいかにコンバージョンを増やすかが重要です。開発負荷を見積もりつつ、優先度の高い機能を早めに実装し、並行して簡易施策で改善を回していくのが現実的な進め方です。

株式会社シャコウはBtoBマーケティングの戦略設計からクリエイティブ制作、インサイドセールス運用まで一気通貫で支援しております。ポイントでのご支援も可能ですので、お悩みの際はお気軽にご相談ください。

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