ホワイトペーパーは、BtoB企業にとって良質なリード(見込み客)を獲得するためのマーケティング施策の1つです。 自社でもホワイトペーパーを作ってみたいが「実際にどのようなものを作ればいいのか?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、ホワイトペーパーの基礎知識と、7つのサンプルを元に事例を紹介します。表紙だけではなく、目次や企画内容もぜひ参考にしてみてください。 また、後半では成果につながるホワイトペーパーのコツを解説しているので、ぜひ最後までお読みください。 ホワイトペーパーの作り方についてさらに詳しく知りたい方は、シャコウのYouTubeチャンネルをあわせてご覧ください。企画や設計、マーケティング戦術まで、具体的なポイントをわかりやすく解説しています。 ▼ホワイトペーパー制作完全ガイド11STEPをプロが解説する60分|企画・設計・デザイン・マーケ戦術まで解説【ウェビナーアーカイブ】
ホワイトペーパーとは?作成の目的と種類を解説
ホワイトペーパーは、顧客の課題を分析し、その解決策や役立つ情報をまとめた資料で、コンテンツマーケティングの一手法です。企業のWebサイト上で公開し、閲覧希望者に氏名やメールアドレスを入力してもらうことで資料を提供します。企業はリードを獲得でき、読者は有益な情報を得られるため、双方にメリットがある施策として、多くの企業が導入しています。
\まずはコンテンツマーケティングについて知りたいという方は以下の記事をCheck!/

1. ホワイトペーパーの効果
ホワイトペーパーを制作することで、主に3つの効果が期待できます。
- 新規リードの獲得
- ナーチャリング(見込み顧客へのアプローチ)
- 受注確率の向上
ホワイトペーパーは問い合わせよりもハードルが低いため、自社の商品を購入してもらえる可能性が高いターゲットの顧客情報を多く獲得できます。また、獲得した顧客への情報提供を続けることにより、関係強化が図れます。その結果、商談に繋がるきっかけを作りやすくなり、受注確率の向上に寄与します。 ホワイトペーパーの目的や効果についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

2. ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーの種類は主に「サービスに対するターゲット層の興味関心の度合い」「時事性と資産性」によって分けられます。また、ターゲット層が顕在層・潜在層かによって、大きく2つのグループに分けることができます。 主に顕在層がダウンロードするホワイトペーパー
- サービス資料・カタログ
- サービス導入事例紹介
主に潜在層がダウンロードするホワイトペーパー
- 入門ガイド
- 用語集
- 課題解決
- トレンド情報・業界ニュース
- セミナー資料・イベントレポート
ターゲットによって提供するべきホワイトペーパーが異なるため、ホワイトペーパーを企画する際には、ターゲットに合った企画を選び、効果を最大化させましょう。
7タイプのホワイトペーパーの事例・サンプルを紹介
ホワイトペーパーには主に7つの種類があり「誰をターゲットにするか」「どのような目的で制作するか」によって異なります。ホワイトペーパーを制作するときには、ターゲットや目的を見極めて、種類を選択すると良いでしょう。
1. 入門ガイド・用語集
特定のテーマや分野に関する基本的な情報や用語の説明を提供するホワイトペーパーです。
ターゲット層
- まだ明確な課題を持っていない潜在顧客
メリット・特徴
- 新規顧客や業界初心者層の顧客などにもアプローチできるためリードを獲得しやすい
- 一度作成すれば長期間にわたり有効であり、繰り返し利用できるため長期的な投資成果を得られる
2. 課題解決
課題ごとの背景や要因などを考え、解決策としてノウハウを提供するホワイトペーパーです。一般的にリード獲得を目的に作られます。他のホワイトペーパーに比べて制作のハードルが低く、受注率アップにも貢献できるため、初心者でも効果が出やすい型と言えます。
ターゲット層
- 課題解決のためサービスを導入する可能性のある見込み顧客
メリット・特徴
- 自社のノウハウやサービスで顧客の課題解決を提示できるため、他のホワイトペーパーに比べて制作しやすく、リードや受注も獲得しやすい
- 実際に顧客が直面している課題に対する解決策を提供することで、企業の価値・信頼性向上に貢献できる
- 他のホワイトペーパーに比べて制作のハードルが低く、受注率アップにも貢献できるため、初心者でも効果が出やすい
3. 調査レポート
特定の分野や業界のマーケットを調査してまとめたホワイトペーパーです。
ターゲット層
- サービス・分野に興味がある見込み顧客
メリット・特徴
- その分野に興味があり、何らかの課題を解決したいと考えている潜在的な見込み顧客を獲得できる
- 自社で独自に集計したものや業界の動向を分析したものがあり、専門家であることをアピールできる
- まだ自社について認知されていないが、興味を持つ可能性が高い潜在層にアプローチしたい場合におすすめ
4. セミナー資料・イベントレポート
自社で行ったセミナーや、展示会などのイベントの内容をまとめたホワイトペーパーです。
ターゲット層
- まだ明確な課題を持っていない潜在顧客
メリット・特徴
- イベントに参加してる人だけでなく、参加していない人に対しても専門知識や価値を提供できるため、多くの顧客に興味を持ってもらいやすくなる
- セミナーやイベントの温度感が伝わりやすい内容や構成にすることで、興味を持った顧客を次のアクションに繋げられる
- セミナーやイベントなどの集客につなげたい場合におすすめ
5. トレンド情報・業界ニュース
業界の新しい流行や変化などをすばやくキャッチして伝えたり、動向に基づく企業の対応策を提案するホワイトペーパーです。
ターゲット層
- まだ明確な課題を持っていない潜在顧客
- 新たな情報やトレンドへの関心が高い業界の既存顧客
メリット・特徴
- もともと業界への関心が低かった顧客なども含めてアプローチできるため、認知拡大、リード獲得がしやすい
- 検討初期段階の顧客に対してもアプローチできる
- 業界の最新情報を発信しニーズに応えることで、より新鮮な情報を獲得できる企業への信頼度が上がり、既存顧客との関係強化も図りやすい
- 潜在層だけでなく既存顧客にも効果的なため、広範囲の顧客にアプローチしたい場合におすすめ
6. サービス導入事例紹介
実際に自社サービスを導入している企業の成功事例や、導入までの背景を紹介したホワイトペーパーです。
ターゲット層
- 他社サービスと比較検討中の顧客
メリット・特徴
- 実際の利用例を紹介することで、顧客の興味を引き付けられる
- 自社にサービスを導入することのメリットや価値をより強く感じやすくなり、商談や顧客の購入促進に繋がりやすい
- 商品やサービスの受注率を上げたい場合におすすめ
7. サービス紹介資料・カタログ
自社の製品やサービスを比較できるようにまとめたホワイトペーパーです。
ターゲット層
- 他社サービスと比較検討中の顧客
メリット・特徴
- 他企業のサービスとの違いや特徴を比較することで、読者が自社製品を導入するための有効な検討材料になる
- 顧客がサービスについての理解を深め、より価値を感じやすくなり、購買意欲向上が見込まれる
- 他のホワイトペーパーに比べて制作のハードルが低く、商品やサービスの受注率向上にも見込めるため、初心者におすすめ
ホワイトペーパーにおける基本的な構成要素
ホワイトペーパーは、読み手に信頼感を与えつつ、理解しやすい形で情報を提供する資料です。そのため、内容だけでなく「どう構成するか」も非常に重要です。一般的には、以下のような流れで構成されています。
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
1. 表紙
資料のタイトルやロゴ、作成年月、キャッチコピーなどを記載します。資料の目的やテーマが直感的に伝わるよう、デザインや見せ方にも工夫が必要です。
2. 目次
ページ数が多い場合は目次を設けることで、読み手が必要な情報にすぐアクセスできます。全体構成を把握してもらうための導線にもなります。
3. 課題の提示
資料を読むターゲット層が共感しやすい「課題」や「背景」を提示します。読者が自分ごととして捉えられるようにすることがポイントです。
4. 解決策の提案
前項で取り上げた課題に対して、自社ならではの知見や経験を活かした解決アプローチを紹介します。自社の視点や実績があることで、内容に説得力が生まれます。
5. 導入・活用事例
実際にサービスを活用した企業の事例や具体的な活用方法などを紹介すると、読者の理解が深まります。グラフや図表を使って視覚的に伝えるとより効果的です。
6. サービス案内・問い合わせ情報
最後に、自社サービスの概要や問い合わせ窓口、資料のダウンロード先などを明記します。読後に行動を起こしてもらいやすくするための重要なパートです。
成果につながるホワイトペーパーを作るための5つのポイント
ホワイトペーパーはただ制作するだけでは効果は見込めません。せっかく時間をかけてホワイトペーパーを発信しても、ダウンロードされずリード獲得が思うようにできなければ次のステップに繋げられなくなってしまいます。 そこで、実際に数多くのホワイトペーパーを作成している当メディアが、結果を出すためのポイントを3つ解説します。
1. 目的を明確にする
ホワイトペーパーの作成では、まず「活用の目的」を明確にすることが重要です。新規リード獲得なのか、見込み顧客の育成なのかなどの目的によって、ホワイトペーパーをダウンロードしてもらいたいターゲット層を設定します。 主なホワイトペーパー作成の目的は以下の3つです。
- クロージング
- リード育成
- リード獲得
目的を明確にすることで、アプローチするターゲット層とテーマ・内容を決定できます。また、ターゲットの目線に合った言語でコンテンツを作成できるため、ダウンロード率を上げることにも繋がります。
2.自社の立ち位置・強みを明確にする
読む人にとって価値のあるホワイトペーパーを作成するには、自社の立ち位置と強みを明確にすることです。これにより、他社には提供できない、自社だけが提供できる有益な情報を、顧客に届けることができます。 自社の立ち位置と強みを理解するには、一般的にマーケティングで使われるフレームワークを活用すると良いでしょう。主に以下のフレームワークが知られています。 以下は、運用型テレビ広告媒体サービスを提供する企業さまを例に行った3C分析の内容です。顧客に対して有益な情報を提供するには自社だけが提供できる顧客が求めるものである「バリュー・プロポジション」の把握が重要になります。
3. ターゲットを細かく設定する
ターゲットの選定ができていない状態でホワイトペーパーを作成すると、誰にも必要とされないホワイトペーパーが完成してしまいます。その結果、苦労して制作してもダウンロードされない、活用されないという事態を招きます。 ターゲットを選定する際には、より具体的な人物設定を行うことが重要です。詳細に設定することで、その人が抱える課題や求めている情報を想定でき、ホワイトペーパーに記載する情報の取捨選択ができます。迷う場合は、既存顧客や今までの受注実績から、自社のサービスや商品に興味を持ちやすいリードを分析すると良いでしょう。
4.表紙・タイトルはキャッチーさと視認性を意識する
ホワイトペーパーの表紙とタイトルは、ダウンロードに直結する重要な箇所です。ホワイトペーパーのテーマや企画内容がいかに素晴らしいものでも、内容がわからないタイトルや視認性の悪いデザインでは、ユーザーに伝わらず、ダウンロードにつながりません。 タイトルには「具体的な数字を入れる」「トレンドの言葉を入れる」などの少しの工夫でダウンロード率が上がる可能性があります。表紙のデザインは「強調箇所とそうでない箇所を区別する」「テーマや企業に合ったトーン・フォントにする」などの工夫ができます。 また、ライティングとデザインに関しては、表紙に限らず以下のコツを意識することで、より伝わりやすいホワイトペーパーが完成し、ユーザーの満足度向上や信頼獲得につながるでしょう。
5. 読んだ後のアクションを明確にする
ホワイトペーパーは、ダウンロードした顧客に次の行動を促すために「CTA」というゴールを設定しておく必要があります。CTAとしては例えば以下のようなものが考えられます。
- 問い合わせ用メールアドレス
- 電話番号
- 商品
- サービスへの問い合わせフォーム
- 資料請求フォーム
- 無料トライアル申請フォーム など
そのため、制作前にターゲットがCTAにたどり着くまでのストーリーを設定しておく必要があります。ホワイトペーパーを読むことでターゲットの課題がどのように解決し、どのようにCTAの行動を起こすのか、納得感のあるストーリーを設計するのが重要です。
\以下の記事でホワイトペーパーの作り方をCheck!/

以下の資料で、ホワイトペーパーの作成手順についてより詳しく解説しています!
ホワイトペーパー制作に不安があるならアウトソーシング(外注)がおすすめ
ホワイトペーパーで成果を出すためには、目的やターゲットを踏まえた企画とストーリー作り、読者を惹きつける文章やデザインなど、さまざまな点に注意して制作する必要があります。 以下のようなお悩みがある場合は、アウトソーシング(外注)を検討しましょう。
- 時間と人員に余裕がない
- 成果の出るホワイトペーパーを制作できる自信がない
- ノウハウが足りない
ノウハウを持った企業にアウトソーシングすることで、ターゲットとする読者が必要とするホワイトペーパーを効率的に制作できます。より多くのリードを獲得できるホワイトペーパー制作には、アウトソーシングの活用が効果的です。
シャコウならホワイトペーパーの企画から制作までをまるっとお任せ
シャコウでは、成果の出るホワイトペーパー制作の企画、ラフの作成、ライティング、デザインまでトータルで対応いたします。
- マーケ戦略に沿った企画・コンテンツ案をご提案
- 幅広い業界・分野に対応できる、経験豊富なチームでの制作
- 読み手に伝わりやすいライティング・デザイン
良質なリード(見込み客)を獲得できるホワイトペーパー制作に興味のある方は、以下のリンクからぜひ詳細をご覧ください。
シャコウが制作したホワイトペーパーの事例
DXHR株式会社さま|ChatGPTを活用した実践的ホワイトペーパー
人材系やコンサルティングを手がけるDXHR株式会社さまでは、いま多くの関心を集める「ChatGPT」をテーマに、実用性の高いホワイトペーパーを制作しました。バックオフィスの業務改善に役立つプロンプト事例と、ChatGPTによる実際の出力例を掲載。ユーザーがそのまま活用できる、行動喚起型のコンテンツとなっています。
株式会社AdAIさま|ウェビナー成果を高めるノウハウ資料
ウェビナーに特化した企画・集客・運営代行を展開する株式会社AdAIさまでは、成果につながるウェビナー設計に悩む企業向けにホワイトペーパーを制作しました。商談化率の向上を狙った設計のポイントや成功事例など、すぐに活用できる実践的な情報を提供する資料です。
株式会社ロッテさま|ノベルティ活用に悩む担当者のための資料
お菓子やアイスクリームの製造・販売で知られる株式会社ロッテさまでは、法人向けノベルティ施策の一環としてホワイトペーパーを制作。ノベルティを効果的に活用したいと考える企業担当者に向けて、アイテム選定のポイントや活用シーンの具体例を紹介し、施策のヒントが得られる実践的な内容となっています。
シャコウにおけるホワイトペーパー活用法と成果事例
シャコウが実践するホワイトペーパー活用のスタイル
シャコウでは、広告運用やメールマーケティングと連動させながら、ホワイトペーパーを起点としたリード獲得および育成の取り組みを行っています。
中でも注力しているのが、「ホワイトペーパー×インサイドセールス」の連携です。資料のダウンロードをきっかけに見込み顧客を獲得し、インサイドセールスのアプローチによって商談化を目指す──この一連のプロセスを戦略的に設計しています。
シャコウが考えるホワイトペーパー施策の目的は、“リードの獲得”ではなく“商談の創出”。資料を届けた後のコミュニケーション設計まで含めて初めて、成果に結びつくと考えています。
ホワイトペーパーの効果が感じられない企業の多くは、インサイドセールスの運用面に課題を抱えていることが多いです。逆に言えば、営業チームと連携が取れていれば、ホワイトペーパーのパフォーマンスを大きく引き出すことが可能です。
成果事例|広告と組み合わせてリード獲得単価を抑制
ある施策では、Web広告とホワイトペーパーをセットで活用したことで、CPA(顧客獲得単価)を大幅に抑えることに成功しました。
新規の見込み顧客を獲得する手段としては、オウンドメディアやSEOもありますが、立ち上げに時間がかかるのが難点です。その点、即効性のある広告は、短期的な施策として非常に有効です。
中でもホワイトペーパーは、サービス紹介LPやウェビナーなどと比較しても、比較的低コストでリードを獲得しやすい傾向があります。
もちろん、ホワイトペーパー経由のリードは「まだ情報収集段階」の層が多く、サービス資料などに比べて今すぐ商談につながる確度はやや低めです。しかし、適切なインサイドセールス体制が整っていれば、そのようなリードも着実に商談へと進めることができます。
シャコウでは、まずホワイトペーパーで広くリードを獲得し、メルマガをはじめとするナーチャリング施策につなげていくという流れを重視しています。
商談につなげる鍵は「企画力 × 初動フォロー」
実際に成果を出すために欠かせないのが、企画とダウンロード後のアプローチです。
まず企画の段階では、課題解決を切り口とした資料、他社比較資料、導入事例集など、商談へとつながりやすいテーマを選定することが重要です。サービスへの関心と直結しやすい切り口を意識し、構成にも工夫を凝らしています。
さらに、ダウンロード後のスピード感ある対応も成果に直結します。たとえば「初回の電話連絡を5分以内に行う」ことで通電率が大幅に向上し、「6回までの架電で約9割が通話につながる」といったデータもあります。
また、詳細なヒアリングはアポイント獲得後に行う方が相手の本音を引き出しやすく、初回商談の質の向上にもつながります。
そのほか、実際に効果を上げた企画例や広告施策の詳細については、YouTubeで公開中のウェビナーアーカイブ「【ホワイトペーパーマーケ大解剖vol01】制作ステップ・リード獲得・効果のあった事例に迫る90分」で詳しく紹介しています。興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。
\ホワイトペーパーの活用法に関しては以下の記事をCheck!/

ホワイトペーパー制作事例を多く持つシャコウでは、マーケ・セールス全領域のサポートが可能
また、シャコウでは、BtoBマーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの全領域において、上流から下流まで幅広い支援が可能です。 BtoBマーケティング・セールスの全体設計や各領域に関する課題をお持ちの方は、戦略・実行・クリエイティブ・セールスの四位一体の強みを持つシャコウにぜひご相談ください。